11月6日 

不公平な時代は終わった 

地域ごとにアクションを起こそう

アクションの呼びかけ

正義は、世界の政治家や企業から与えられるものではありません。私たち自身だけが、ふさわしい未来を描き、築くことができるのです。

問題について

私たちは今、気候変動、コロナ禍、人種差別など、さまざまな問題に直面しています。これらの危機は互いに影響しあい、時には原因すらも重複しています。

誰もこれらの危機の影響から逃れることはできません。むしろ危機に全く加担していない人々が、最も苦しんでいます。世界中で、最も貧しい人々や有色人種のコミュニティが、気候危機の矢面に立たされているのです。防波堤の浸食が急速に進むノーフォーク州の沿岸部の村から、石油の流出で黒ずむニジェール・デルタの川辺に住む人々まで、気候危機の影響を受けています。

なぜこんなことになってしまったのか?

私たちがこのような危機的状況に陥ったのは、現行の政治経済システムが不平等と不公平の上に成り立っているからです。何世紀にもわたって、富裕国の政府や大企業が、より多くの富を得るために、人々や地球の資源を搾取してきました。そして、それが人類に与える被害は度外視されてきたのです。 

解決策

一言で言えば、「気候正義」「システムの変革」「下からの力」です。

気候危機と同様に、私たちの政治経済システムも人間が作り出したものです。だとすれば、人間の手によって修正することもできるのです。私たちは、根本からのシステム変革を必要としています。これらの問題を解決するためには、一丸となって立ち向かう必要があるのです。気候正義は、私たちが直面している問題の根っこが、全て不公平なシステムが原因であると考えます。職場での待遇改善、きれいな水、警察の暴力、新しい鉱山の開設など、私たちが戦っているすべてのことは、不公平なシステムが共通の原因なのです。自分たちの健康のため、森林破壊を阻止するため、我々は闘っています。私たちに必要なのは、富裕層だけでなく、私たち全員にとって意味がある気候変動対策です。

私たちが必要とする解決策はすでに存在し、実践されてはいますが、現在の世界のリーダーにはそれを完遂するのに十分な政治的意志がありません。私たちの解決策は、二酸化炭素の排出量を削減するだけでなく、その過程で、より公平で公正な世界を創造するものです。つまり、正義、資源の再配分、権力の分散に基づいた気候変動対策です。

最も影響を受ける人々が、解決策や意思決定の中心とならなければ、この危機は解決しません。気候危機の影響は、地域やコミュニティによって異なります。つまり、それぞれの地域に最適な解決策は、その影響を受けている人々によって形成されなければなりません。多くの場合、先住民族や現場のコミュニティは、何世紀にもわたってすでに解決策を知っています。つまり誰もが、自分に影響する事柄の意思決定プロセスに、参加する権利を与えられるべきなのです。

COP26:なぜそれが重要なのか?

11月にグラスゴーで開催されるCOP26では、世界の指導者や専門家が一堂に会します。

グローバルな問題にはグローバルな解決策が必要です。COP26では、各国政府が気候危機にどのように対応するか(あるいは対応しないか)が決定されます。誰が犠牲になり、誰が逃げ出し、誰が利益を得るのかを決めるのです。これまで各国政府は、企業と結託し、絵空事を語り、問題の規模を無視し、ほとんどの場合、人々や地球からより多く搾取することに依存し、グリーンウォッシュに満ちた「解決法」の陰に隠れ、あまりにも小さく、あまりにも遅い対応をしてきました。

今回のCOP26は、歴史的に重大な局面での開催となります。世界中でさまざまな活動が起こっています。抗議デモ、グローバルな連帯、草の根活動などの新しい波が起きています。また、パンデミックからの復興は、システムの構造を変えるまたとない機会です。危機を加速して後戻りできないところまで追い込まれるのか、または、すべての人のニーズが満たされる公正な世界の基礎を築くのか、私たちが、選択するのです。

私たちは何をしようとしているのでしょうか?

正義は、世界の指導者や、企業から与えられるものではありません。すべての人にとってふさわしい未来を描き、築くことができるのは私たち自身です。私たちが生き残り、より公正で公平な世界を築くために必要な変革的な解決策は、地域社会や国際レベルでの団結した行動、連帯、協調によってのみもたらされます。

私たちは、世界中から結集し、システム変革を起こす原動力となるのです。その力は、先住民族の運動、最前線のコミュニティ、労働組合、人種的正義のグループ、若者のストライキ、農業従事者、NGO、草の根コミュニティキャンペーン、フェミニスト運動、信仰グループなど、数え上げればきりがありません。私たちは、先住民族、最前線のコミュニティ、グローバル・サウスのコミュニティを前面に押し出していきます。私たちは、彼らの声や要求を届けるために、皆さんの協力を必要としています。

世界のどこにいようとも、今こそ気候変動の正義のための戦いに参加しましょう。職場、コミュニティ、学校、病院、そして国境を越えて、すべての人が参加する必要があります。

11月6日: 気候正義のためのグローバル・デー・オブ・アクションを開催し、世界各地で分散型の大衆動員を呼びかけます。

11月7~10日: 気候正義のためのピープル・サミットを開催し、気候正義活動が一堂に会して議論し、学び、システム変革のための戦略を練ります。世界のどこからでもオンラインで参加できますし、グラスゴーにて直接参加することもできます。

私たちの要求

帳尻合わせはやめよう: 化石燃料、炭素中立、偽りの解決策に反対する

システムの再構築: 正義の移行を今すぐ開始する

グローバルな気候正義: 先住民コミュニティと南半球(グローバル・サウス)への補償と再分配

帳尻合わせはやめよう: 化石燃料、炭素中立、偽りの解決策に反対する

壊滅的な気候変動を食い止めるためには、大至急の行動を起こすことが必要です。世界の気温上昇は1.5℃までに抑えなければなりません。これを超えると、気候変動はもはや悲惨なものではなく、破滅的なものとなります。各国政府がこの目標を主張しても、現在の計画では達成に程遠いのが現実です。

また数字だけではなく、どうやって達成するか具体的な行動も重要です。私たちが直面している複数の危機は、人々や地球からの搾取を増長したり、帳尻を合わせることでは解決できません。現在の政府や企業の目標である「ネット・ゼロ(炭素中立)」は、排出量ゼロ(撤廃)を意味しません。むしろ、巧妙な「カーボン・オフセット(相殺)」で隠蔽しながら、汚染を続けようとしているのです。私たちは、「リアル・ゼロ(炭素撤廃)」を達成するための約束と行動が必要です。そのためには、国内外で新たな化石燃料への投資やインフラ整備を行わないこと、炭素市場に反対すること、国や企業の汚染活動を可能にし、リスクが高く、実証されていない技術に頼らないこと、などが必要です。

システムの再構築:今すぐ正義の移行を始める

私たちは、労働者主導の「正義の移行」を必要としています。これは、不正、貧困、不平等に対処する方法でシステムを再構築することです。また、化石燃料産業から脱却し、再生可能エネルギーに投資して、適正に組合に根ざした「グリーンジョブ」とサービスを創生することを意味します。システムの再構築は、医療介護から家事に至るまで、現在、無給または低賃金で主に女性、移民、有色人種によって行われているケアワークを中心に据え、価値を見直す必要があります。 しかし、このような新しいインフラやサービスは、南半球(グローバル・サウス)での資源採掘や人権侵害の犠牲の上に、北半球(グローバル・ノース)のみで構築することはできません。生活者が運営する分散型のエネルギー供給システム、介護サービスの拡充、地元産の食材、環境に配慮した手頃な価格の住宅や公共交通機関など、地域と世界の正義がこの移行の中核となることが必須です。

グローバルな気候正義:先住民族コミュニティと南半球(グローバル・サウス)への賠償と再分配

気候変動対策は、歴史的に利益を得てきた側と、被害を受けてきた側の視点に基づいて行われるべきです。先住民族は、何世紀にもわたって、気候変動の根本原因の最前線にいます。「北」が利益を得る一方で、先住民族、最前線のコミュニティ、そして「南」の人々は、気候危機の代償を払い続けることはできません。それどころか、これらの損害は補償されてしかるべきです。

各国の炭素排出削減量は、各国の事情を背景に、公平な分量(過去の排出によって気候危機にどれだけ貢献したか)に比例したものでなければなりません。私たちは、すべての債権者によってグローバル・サウスの債務を帳消しにすべきです。また、富裕国は、気候危機の最前線にいる人々が生き延びるために、適切な助成金ベースの気候変動資金を提供しなければなりません。私たちは、「南半球」での損失と損害に対する賠償を共同で約束することにより、すでに世界中で発生している人命、生活、生態系の損害に対処していく必要があります。